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発行日 2011年9月15日
発行者 対人援助学会
編集長 団 士郎
【編集長から】
■『ノーサイド』(新しい首相が総裁就任演説で叫んでいたが)を連載開始した中村周平くんが「今回も写真掲載構いませんか?
ご迷惑でなければ・・・」と遠慮気味に添付ファイルで送ってきた写真を見た。
“高校時代“と題された一枚。グラウンドでのスナップだろう。表情から不安、決意、気後れ、拳の意志・・・いろんな言葉が浮かんできた。
ユニフォーム姿の高校生の眼差しに私が勝手に読み取ったのは、ここから始まる物語である。
この周平くんは、まだ自分の未来を知らない。それは今の彼も我々も同じで、誰も明日のことなど予言できない。
それは拡大すれば、地震や津波、原発、そして台風で被災した人たちも同じだ。
そして誰も、起きなかった昔に戻ることは出来ない。誰かにおきることが、誰かにおきる。だから、自分に起きるかどうかだけが問題なのではなく、誰に起きたとしても、それをどう受け止めるかが、社会全体に問われている。
天野忠詩集の中の短文にこういうのがある。連合軍が勝利し、ナチスドイツが崩壊した後のことだ。強制収容所・記録フィルムの街頭上映会がドイツ国内の津々浦々で行われた。ドイツ人の中には収容所のことを知らなかった者もあった。それを連合軍は全ドイツ国民に知らしめようとした。
上映会を後にした冬の夜の帰路。黙って歩く父子の頭上に雪が降り始める。息子が空を見上げながら、「あっ父さん、雪だ・・・」とつぶやく。
人はしばしば、何を語ればいいのか、途方に暮れる。しかしそんな時にこそ、語らなければならない。大したことでなくて良い。自分の言葉精一杯の所を、そこにいる責任として口にしなければならない。
今がどういう時代なのか、渦中にいては分からないことがある。歴史になった頃に、はじめて明らかになる意味も存在するに違いない。マガジンがそう言う中の一つであると良いと思う。
対人援助学マガジン 第6号 | |
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■全ページ(201ページ) | |
■各ページ(執筆者) | |
表紙 | |
対人援助学会第三回年次大会告知 | |
目次 | |
・執筆者@短信 | 執筆者全員 |
・知的障害者の労働現場 006 | 千葉 晃央 |
・社会臨床の視界 (6) | 中村 正 |
・ケアマネの出会った家族たち(6) | 木村 晃子 |
・街場の就活論 vol.6 ―新卒採用に今、何が起こっているのかー | 団 遊 |
・心理療法が始まるまで(6) | 藤 信子 |
・第6 回誌上ひとりワークショップ(中編) | 岡田 隆介 |
・映画の中の子どもたち 6 「いのちの子ども」 | 川崎 二三彦 |
・子どもと家族と学校と (6)(開業カウンセラー日誌) | 中島 弘美 |
・蟷螂の斧(とうろうのおの)-社会システム変化への介入(20 年前の児相と) 第6回 | 団 士郎 |
・学校臨床の新展開 (6) | 浦田 雅夫 |
・学びの森の住人達(1) 学校でもない、塾でもない、森・・・ | 北村 真也 |
・幼稚園の現場からVI | 鶴谷 主一 |
・福祉系対人援助職養成の現場から (6) | 西川 友理 |
・我流子育て支援論 (6) | 河岸 由里子 |
・不妊治療現場の過去・現在・未来 6 | 荒木 晃子 |
・対人援助学&心理学の縦横無尽 (3) | サトウタツヤ |
・小さな「怪獣たち」とのドラマセラピー | 尾上 明代 |
・家族造形法の深度 (6) | 早樫 一男 |
・旅は道連れ、世は情け (6) (女性LC 研究所20 年) | 村本 邦子 |
・きもちは言葉をさがしている 「紅茶の時間」とその周辺 第5話 | 水野 スウ |
・やくしまに暮らして 第五章 | 大野 睦 |
・お寺の社会性(四)―生臭坊主のつぶやきー | 竹中 尚文 |
・こころ日記ぼちぼち (3)(中学生日記) | 脇野 千恵 |
坊 隆史 | |
・新連載ノーサイド 第二回禍害と被害を超えた論理の構築 | 中村周平 |
・新連載それでも「遍照金剛言う」ことにします(精神障害者福祉) | 三野 宏治 |
・新連載「ほほえみの地域づくり」の泣き笑い | 山本 菜穂子 |
・巻末座談会「障害をもつ友達と過ごすとは?」 | 石原 × 三人 |
・編集後記 | 編集長&編集員 |