A4/143ページ + 別冊付録マンガ 31ページ
発行日 2011年3月12日
発行者 対人援助学会
編集長 団 士郎
【編集長から】
第4号の編集がおおかた完了するという3 月11 日、東北地方太平洋沖地震とそれに伴う大津波被害が起きました。これを書いている3 月12日のTV
は、取り残された被災者救出と被害の全容把握、原発事故の対応に働く、様々な人々の活動を繰り返し伝えています。
それを見ながら、対人援助を謳ったマガジンの編集長である私のできる援助は弱いなぁと思っています。そしてこれは、阪神淡路大震災の後にも、ずっと自分が感じていた感覚であることを思い出しました。
支援や応援、助けが一色ではないことは、頭の中では分かっているのです。それでも、自分の中の直接的援助の出来にくさが弱点であることを否定できません。
救助から復興に向けて動き出した時には、又新たな息長い支援が必要なことも分かっています。人が様々なものから、力や勇気をもらえることも知っています。そういう何かの一員でありたいと思います。
ただ、それでも、神戸の時がそうであったように、ここから先の地域には惨状が広がっていると分かったところの手前で、いつもと変わらない日常生活が営まれ、そこに自分が居ることの後ろめたさは、むくむくと頭をもたげてしまいます。
しかし、準備して、皆さんに支えられてきたこのマガジンですから、情緒的に反応するのではなく、予定通り発行したいと思います。ご執筆いただいた方々はそれぞれ、こんな事が起きることは予想もしない時点で原稿を完成しておられます。今なら、何か一言、付け加えたいと思われることがあっただろうと思います。
当面の緊急的支援を担う方々に感謝とねぎらいを込めて、そして長期間にわたる復興プロセスでは、必ず役割を果たすことを約束して、今は、予定されていた自分の役目を果たしたいと思います。
被害を受けられた方に心からのお見舞いと、直接ではないけれども、大切な家族や、友人の被害に心を痛めている方々にも、どうぞご自分を大切にと申し上げて、編集・発行作業を再開いたします。
対人援助学マガジン 第4号 | |
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■全ページ(143ページ) / 別冊付録マンガ(31ページ) | |
■各ページ(執筆者) | |
表紙 | |
目次 | |
・執筆者@短信 | |
・知的障害者の労働現場004 | 千葉 晃央 |
・社会臨床の視界 (4) | 中村 正 |
・ケアマネの出会った家族たち(4) | 木村 晃子 |
・街場の就活論 vol.4 ―新卒採用に今、何が起こっているのかー | 団 遊 |
・心理療法が始まるまで(4) | 藤 信子 |
・ケースのツボとそこに合わさる言葉(3) | 岡田 隆介 |
・映画の中の子どもたち4 | 川崎 二三彦 |
・子どもと家族と学校と (4) | 中島 弘美 |
・蟷螂の斧(とうろうのおの)-社会システム変化への介入-part1-第4回 | 団 士郎 |
・学校臨床の新展開 (4) | 浦田 雅夫 |
・(4)ポストモダンな学びのスケッチ-繋がりの中で見えてくるもの- | 北村 真也 |
・幼稚園の現場からIV | 鶴谷 主一 |
・福祉系対人援助職養成の現場から(4) | 西川 友理 |
・我流子育て支援論(4) | 河岸 由里子 |
・不妊治療現場の過去・現在・未来 4 | 荒木 晃子 |
・対人援助学&心理学の縦横無尽(1) | サトウタツヤ |
・小さな「怪獣たち」とのドラマセラピー 4.つづく「いじめ」のドラマ | 尾上 明代 |
・家族造形法の深度(4) | 早樫 一男 |
・旅は道連れ、世は情け 研究所二十周年を迎える 前夜(4)幕開け~最初の一年目 | 村本 邦子 |
・きもちは言葉をさがしている 「紅茶の時間」とその周辺 第3話 | 水野 スウ |
・やくしまに暮らして 第三章 離島の暮らし | 大野 睦 |
・お寺の社会性(弐)―生臭坊主のつぶやきー | 竹中 尚文 |
・新連載 こころ日記ぼちぼち | 脇野 千恵 |
・新連載これからの男性援助を考える第一回&第二回 | 坊 隆史/松本 健輔 |
・またまた長い編集後記 | 編集長&編集員 |
■ 別冊付録マンガ | |
・「こども旅 不登校児の琵琶湖一周サイクリング」(下) | 団 士郎 |