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発行日 2020年6月15日
発行者 対人援助学会
編集長 団 士郎
【編集長から】 編集中の大事件を思い出すと、2011年3月の「東日本大震災」。マガジン第4号の校了間近だった。大慌てで、とにかくあの時期の対人援助について、思うところを書いた。
そして今回、2020年3月、第41号の迎えた大事件は新型コロナ禍だ。
息長い作業を続けていると、いろんな事に遭遇してしまうのは当然だ。不安がったり、誰かを批判したりではなく、対人援助学マガジンの視座から、今回の事態を騒ぐのではなく、見つめている。
とはいえ、正直なところ、疫病の蔓延で都市が破滅してしまうような話は、過去の世界史の中のことだと思っていた。武漢市のロックダウンだって、わざとらしい強権発動の訓練の印象がぬぐえなかった。
なのに、そう時間がかからないで、仕事場のある京都も空っぽになった。錦市場の異常な混雑ぶりを見ていたので、最近の閑散ぶりには驚きが隠せない。過剰インバウンドをアテにしていた業種は、突然の災難で廃業に追い込まれる話も聞こえ始めた。
私のWSや講演、講座なども、3月からすべて中止、延期になった。仕方ないことだし、復旧後も、元のようにはならないと思うので、冷静な検討、分析が必要だろうと思っている。私など、ネバならない仕事でも、立場でもないので、事態の収束を待って、新たな枠組みを思案しなければならないだろうと思っている。
対人援助学マガジンはコロナ禍の影響を受ける仕組みにはなっていないので、粛々と継続するだけである。むしろ今回、原稿の到着が全体に早い。
こんな時には、自分の身辺に形成されたシステムを吟味しておくことだ。誰かにあおられたり、刷り込まれたりしているモノはこの際、整理縮小するきっかけだと思うことだろう。