A4/289ページ
発行日 2020年3月15日
発行者 対人援助学会
編集長 団 士郎
【編集長から】「誰も読んでないのでは?」と先日ある人に言われました。読者が何人あるかをカウントしたりしないので不明です。しかし読んで下さっている方があるのは、いろんな出来事で確認できます。
講演会やWS会場で声をかけていただきますし、連載をきっかけに新たな仕事の繋がりが生まれたと執筆者から聞くこともあります。本誌連載が単行本になったのも数冊、講演依頼が来たり、NPOが活性化したり。
アクセス何件突破とか、何部増刷とか、そういう尺度ではない広がりを目指してきました。経済高度成長期に「大きいことは良いことだ!」と言っていたような価値観を払拭できないまま、右肩上がりの経済モデルに毒された意識からの脱却を心がけてきました。
多く売れるものが良いものだ!なんてわかりやすさの持つ軽率さにはウンザリでした。だからといって、趣味のミニコミのような自己満足物を作っているつもりもありません。そもそも、そういう対比的発想自体が古くさいと思うのです。
読んで貰いたい人に、まだ今から遭遇するであろう人たちに向けて、最新のモノを整えて静かに待っている、それが対人援助学マガジンです。だからバックナンバー10年分も常備です。イノベーション(技術革新)はそのために起きたのだと考えるのが適切だと思います。
古い考え方の人を置き去りにして、新しい物好きでマーケットを作って集まろうなんて発想でもありません。そんなことをしている業界がちらつきますが、それこそ古くさい下克上。そんなことをしてきたのでもありません。
いよいよ次号から11年目に突入です。新たな書き手も、読み手も更に広く求めたいと思います。どうぞよろしくお願いします。