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発行日 2013年6月15日
発行者 対人援助学会
編集長 団 士郎
【編集長から】
■創刊三年が過ぎて、マガジン執筆者の多方面での活躍が目に付くようになってきた。編集長が意図的にそんな場を作ることは出来ないが、選手が良い準備の出来ていることを、社会に知らしめるステージになっているのは間違いないだろう。私は自分が騒がしく目立つ男であるから、社会的な権力や立場上の権限からは極力遠ざかるようにしてきた。これは単に好みに合わないことはするまいと思っていただけのことだが。
その一方で、良いチームのマネージャーではありたいと思ってきた。前にも連載で書いた気がするが、「クレイジーキャッツ」のハナ肇氏は、リーダーとして魅力的だった。理由はメンバー全員を大切にして、それぞれが世の中に届くよう、配慮していたと思うからだ。
植木等、谷啓、犬塚弘、安田伸、桜井センリ、石橋エータロー。それぞれ持ち味の分野での活躍は、彗星のごとく現れ、ボーカルやリーダーだけが残って、他のメンバーは消えてしまうタイプの集団とは違って見えた。
私はそういうチームが欲しいと思っていた。そんなチームが世代交代をしながら新しい分野や、未開拓のフィールドに、対人援助学の英知を積み上げていくことを思い描いてきた。
スポーツ禍害問題の中村周平さんは、柔道事故絡みのシンポジウムに招かれて話した。
連載が早々に本になった荒木晃子さんは今、話題の不妊・卵子提供の日本のガイドライン委員の一人になって、賛否の渦中課題を引き受けて動いている。ケアマネの木村晃子さんは地域で家族の勉強会を継続開催したり、連載を受けたりと大忙しらしい。
ベテラン勢では、川崎二三彦さん、早樫一男さん、中村正さん、そして私もそれぞれTV、雑誌、出版分野での活躍がうかがえる。他にも様々なことがマガジン執筆者の周辺で起きている。これは雑誌創刊のイメージが固まって、始動した時の思惑通りである。
「対人援助」を心理や福祉の専門性の中に閉じこめることなく、幅広いフィールドで、これまでにはなかったもっと多くのことが事が生み出されるのを願っている。
何年か経てば、おこなった事と、おこなわなかった事の差は必ず生まれる。それを信じられるかどうかで、日常の積み重ねが続けられるかどうかが決まる。そこが世の中を信頼するか否かの分かれ目だろう。若い世代がこの世界を信じるに足ると思えるようお膳立てするのは、先輩の仕事ではないかと私は思う。
対人援助学マガジン 第13号 | |
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■全ページ(208ページ) | |
■各ページ(執筆者) | |
表紙 | |
目次 | |
・執筆者@短信 | 執筆者全員 |
・知的障害者の労働現場 013 | 千葉 晃央 |
・臨床社会学の方法(1)暗黙理論 | 中村 正 |
・ケアマネだからできること番外編~ピーコとあきちゃん~ | 木村 晃子 |
・街場の就活論 vol.13 | 団 遊 |
・コミュニティを探して (3) | 藤 信子 |
・第13回誌上ひとりワークショップ | 岡田 隆介 |
・映画の中の子どもたち13 「旅立ちの島唄~十五の春~」 | 川崎 二三彦 |
・子どもと家族と学校と(開業カウンセラー日誌) 13 | 中島 弘美 |
・蟷螂の斧(とうろうのおの)-社会システム変化への介入 part 2 第1回 | 団 士郎 |
・学校臨床の新展開 (13) | 浦田 雅夫 |
・学びの森の住人たち(8) | 北村 真也 |
・幼稚園の現場から ⅩⅢ | 鶴谷 主一 |
・福祉系対人援助職養成の現場から (13) | 西川 友理 |
・先人と知恵から(1) | 河岸 由里子 |
・不妊治療現場の過去・現在・未来 13 | 荒木 晃子 |
・対人援助学&心理学の縦横無尽 (10) | サトウタツヤ |
・家族造形法の深度(13) | 早樫 一男 |
・きもちは言葉をさがしている 第12話 | 水野 スウ |
・やくしまに暮らして 第十ニ章 | 大野 睦 |
・お寺の社会性(十一)―生臭坊主のつぶやきー | 竹中 尚文 |
・こころ日記 ぼちぼち(7) (中学生日記) | 脇野 千恵 |
・これからの男性援助を考える 第十一回 | 松本 健輔 |
・ノーサイド 第9回 禍害と被害を超えた論理の構築 | 中村 周平 |
・それでも「遍照金剛言う」ことにします(8) | 三野 宏治 |
・「ほほえみの地域づくり」の泣き笑い(8) | 山本 菜穂子 |
・男は痛い!第7回「電車男」 | 國友 万裕 |
・援助職のリカバリー(6) | 袴田 洋子 |
・周旋屋日記(6) | 乾明紀 |
・トランスジェンダーをいきる(5) | 牛若 孝治 |
・役場の対人援助論(5) | 岡崎 正明 |
・新版K式発達検査をめぐって(その4) | 大谷 多加志 |
・十代の母という生き方(3) | 大川 聡子 |
・電脳援助(3) | 浅田 英輔 |
・新連載日曜寺子屋家族塾の取り組み2 | 古川 秀明 |
・新連載 Journey to my PhD @ York in イギリス/Vol.1 | 浅野 貴博 |
・新連載 養育里親~もうひとつの家族~ 1 | 坂口 伊都 |
・編集後記 | 編集長&編集員 |