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発行日 2019年6月15日
発行者 対人援助学会
編集長 団 士郎
【編集長から】さぁ、いよいよ10年目。持続、継続が趣味の私にとって、年4回、きちんと刊行し続けて37冊目が迎えられたことが本当に嬉しい。元気だったこと、発行を続ける気力に陰りのなかったことがベースにはあるし、強力な後継編集者チバアキオ、オオタニタカシの育ちの順調なことも大きい。
しかしなにより、マガジンの趣旨に賛同して連載し続けてくださる執筆陣の貢献が大きい。おそらく9割近くは、私が個人的に繋がりを持ったことがある人達だ。何らかの形で関係のある人々に、執筆を打診して今に至っている。
私見だが、「援助・支援」と称する分野に、このファクターはとても大きい。専門性というのは存在するが、そのことと長期継続は結びつかない。年4回の締切りを、律儀に果たして下さるのは、私との繋がりゆえの要素が少なからずある。だから定期刊行が実現できているのだと思う。
あらゆることに結果は出る。時間のかかるモノもあるが、それと中味の適切性と関係がない。むしろ早く成果をと思いすぎると、雇われCEOの迎える決算期のように、半年、一年と短期に成果を欲しがってしまう。
他者との持続的繋がりを旨とする対人援助学。そう位置づけると、地域コミュニティとか、専門業務としての継続性とか、援助職者自身の人柄などが、皆含まれてくる。
人柄は良くないキレキレの敏腕外科医みたいな人はこの分野では不要だ。専門家を道具のように使いたい患者もあるが、専門家からは部品のような病人として扱われるだろうから、そこはお互い様だ。
「対人援助学」というカテゴリーは、こういう人間的営みの中に、専門職として位置付くことを模索している。その一助として「対人援助学マガジン」が果たしている役割があると信じて、10年目のスタートである。