対人援助学会 ヒューマンサービスを科学する

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ごあいさつ

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研究だけに留まらない、実践だけにも留まらない

対人援助学とは、これまでの学問領域を超えて、広く「人を助ける」という実践的行為について、その作業を当事者の決定を軸に過不足なく行うための方法を考える新しい領域です。

この対人援助学は、対象となる個人の現在の問題について、多様な環境との相互作用の中で生きる生活者の課題であることを前提に作業を進める必要があります。

そこでは、対人援助実践におけるスタンスをどのようにとるか、あるいはどのような手順によって進むことが最も効果的で機能的であるのか、という実践作業の絶えざる自己評価を通じ、生きる権利を有した人格に対する畏敬の念を抱きながら、対人援助という二人称的行為を公共的に表現しなくてはなりません。

そして、ひとり一人が個々の独立した人格体として、その存在を社会的に認められるよう、個人的なミクロレベルの直接的援助のみならず、社会に向けてマクロレベルの組織や制度のあり方を提案する援護活動(アドボカシー)によって、社会の再構築にも取り組まなければなりません。

こうした中、当学会の目指すものは、様々な対人援助についてその実践的現場から示される実証的事実から、あるいはこれまでの研究の歴史から「対人援助学」(Science for Human Services )という新しい学範を創り、その内容を絶えず更新することにあります。

当学会は、すでに対人援助職についている方々の「連携」や情報交換のプラットフォームを提供し、また対人援助者としての真のプロフェッショナルを育成することにも挑戦していきます。職制やこれまでの学問領域にかかわらず、当学会の趣旨にご賛同頂き、多くの方々がご入会して頂けることをお願い申し上げます。