謹啓 初冬の候 ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
令和4年11月19日・20日に「対人援助学会第14回大会@新潟」を無事、終えることができました。これもひとえに、学会員ならびに大会参加者のおかげと、心より感謝申し上げます。本大会は、「新潟水俣病と私たち」を主題にし、共催の退院支援研究会から企画ワークショップ1題、理事会企画ワークショップ4題、公募企画ワークショップ2題、ポスター発表16演題が集まり、積極的かつ発展的なディスカッションが繰り広げられました。
第15回大会は岡崎正明大会委員長の下、広島を中心に開催される予定です。各地域で対人援助に取り組んでいる皆様方のご協力をお願いする次第です。
まずは、略儀ながら書面にて御礼と願いを申し上げます。
2022年度の第14回大会は、「新潟水俣病と私たち」がテーマです。1965年の公表以来60年近く経た現在も、多くの未解決の問題を残す「新潟水俣病」について学び、国民の健康で文化的な営みより企業の利潤追求を優先して、社会福祉や社会保障、さらに公衆衛生の向上を怠ってしまった社会のあり方を改めて検証します。私たち対人援助職は激動の時代に、社会、患者さんや家族、そして自分自身とどう関わりあうべきなのか考えてみましょう。
会員の皆様からの自主的な企画ワークショップやポスター発表へのエントリーをお願いします。
※本年次大会に向けた以下の研究会も開催しています(概要および申し込み方法については、本学会「研究会のご案内」ページをご覧ください。この研究会については、会員・非会員の区別なく参加可能です。
*8月26日20-22時@Zoom「新潟水俣病概論Ⅰ(歴史から得る教訓)
*10月21日20-22時@Zoom「新潟水俣病概論Ⅱ(症候と認定基準の変遷)
研究委員会(村本邦子・本間毅・梁陽日)
1.Zoom・映像によるもの
11月19日(土) 9:00-9:30 |
大会長 開会挨拶 事務局からの連絡事項 |
9:30-11:00 | 公募企画ワークショップ① 対人援助学マガジン特別企画「リアルタイム執筆者短信」 企画者:大谷多加志(京都光華女子大学) 千葉晃央(京都光華女子大学) 団士郎(立命館大学大学院) |
11:00-12:30 | 退院支援研究会企画ワークショップ 「新潟水俣病のいま」 企画者:本間 毅(退院支援研究会) 共同企画者・オーガナイザー:萩野 直路(新潟水俣病訴訟を支援する会) ゲストスピーカー:水澤 洋(新潟水俣病患者) 齋藤 恒(新潟医療生協 木戸病院 名誉院長) |
12:30-13:00 | 休憩 |
13:00-14:00 | 理事会企画① 「昭和電工鹿瀬工場跡」フィールドワーク動画視聴 (30分の討論含む) |
14:00-17:00 | 理事会企画② 齋藤恒先生インタビュー動画視聴 (1時間の討論含む) |
11月20日(日) |
|
11:00-12:20 | 理事会企画③ 新潟水俣病と妊娠規制:生殖をめぐる優生思想を問い直す パネリスト:浦﨑貞子(うらさき檸檬助産院・元新潟青陵大学教員・熊本市) 後藤岩奈(新潟県立大学教員・新潟市) オーガナイザー:佐藤 靜(大阪樟蔭女子大学教員) |
12:30-13:30 | 対人援助学会総会・休憩 |
13:30-15:00 | 公募企画ワークショップ③ 「サステナブル(持続可能)な研究会のつくり方 ~学会設立以前から13年続く、対人援助学会研究会のセブンルール~」 発表者:千葉晃央(京都光華女子大学) 中島弘美(CONカウンセリンオフィス中島) 早樫一男(きょうと大和の家) 渡辺修宏(国際医療福祉大学) 大谷多加志(京都光華女子大学) |
15:00-16:30 | 理事会企画④ 広島の被爆樹木による平和教育 発表者:來須真紀(広島市立基町小学校教諭 被ばく2世) 岡崎正明(広島市児童相談所 社会福祉士 被ばく2世) |
16:30-16:45 | 対人援助学会理事長 閉会挨拶 事務局からの連絡事項 |
2.ポスターセッション
11月19日(土)9時~11月20日(日)17時(公開および質疑応答期間、ただし質問は16時まで)
●理事会企画①:11月19日(土)13時~14時
テーマ:現地視察動画「旅立ち 阿賀から不知火へ」 概要:本企画は、現地視察動画の視聴と討論(30分程度)となる。 新潟水俣病の原因企業、昭和電工鹿瀬工場跡から、阿賀野川に沿って河口の松浜地区までの道のりを、萩野直路作成の資料をもとに紹介する。より詳細な企画概要(PDFファイル)もご覧ください。 企画・取材:本間毅(退院支援研究会)・本間樹里(退院支援研究会)・萩野直路(新潟水俣病訴訟を支援する会) 映像監督:嘉村学 ●理事会企画②:11月19日(土)14時~16時 テーマ:新潟メチル水銀中毒症(水俣病)と私 概要:本企画は、新潟水俣病に長年携わってきておられた齋藤恒先生へのインタビュー動画の視聴と討論(1時間程度)となる。 医療者に限らず対人援助職は自らを語らない。日本中が東京オリンピックに沸いた1964年、新潟をマグニチュード7.5の地震が襲った。阿賀野川流域の住民の異変に気付いた小児科医斎藤は、なぜ90歳を過ぎた今も患者たちを支え続けるのか。この点についてインタビューを通して明らかにしていく。より詳細な企画概要(PDFファイル)もご覧ください。 インタビュイー:齋藤恒(新潟医療生協木戸病院 名誉院長) 企画・協力:本間毅(退院支援研究会)・萩野直路(新潟水俣病訴訟を支援する会)・丹羽恵子(丹羽医院 院長) 映像監督:嘉村学 【齋藤先生からのメッセージ】 メチル水銀中毒症(水俣病)は食中毒事件であるが、高度経済成長政策のために国際的に理解をされないほど漁民を長期にわたり犠牲にした。その医療的な対策も誤りであったことを述べる。 ●理事会企画③:11月20日(日)11時~12時20分 テーマ:新潟水俣病と妊娠規制:生殖をめぐる優生思想を問い直す 概要:新潟水俣病事件においてなされた妊娠規制という行政指導、その詳細は浦﨑貞子氏はじめ新潟青陵大学の教員たちがその実態調査を行い論文が書かれるまでは水俣病研究者たちの間でさえもほとんど知られてこなかった。論文の刊行後も、なぜか一部をのぞいてこの問題はほとんど注目されずにきた。そして、この問題に関心を寄せた一部の人というのはそのほとんどが女性であった。 なぜ、この問題が新潟水俣病事件においてここまで後景化されてきたのか。この点について参加者の皆さんとワークショップ形式で検討し、新潟水俣病事件における生殖をめぐる優生思想について問い直す場としたい。より詳細な企画概要(PDFファイル)もご覧ください。 パネリスト:浦﨑貞子(うらさき檸檬助産院・元新潟青陵大学教員・熊本市) 後藤岩奈(新潟県立大学教員・新潟市) オーガナイザー:佐藤 靜(大阪樟蔭女子大学教員) ●理事会企画④:11月20日(日)15時~16時30分 テーマ:被爆樹木の聲を聴く~平和学習での実践を通して~ 概要:対人援助という分野は、社会のあり様と決して無関係ではいられない。政治や文化・災害など、時代や地域における社会的状況が、その土地の対人援助に大きな影響を与えるのは当然のことである。私たちが暮らす地域「広島」は、人類最初の戦争被爆地「ヒロシマ」として、世界的にもその存在が知られており、福祉施策などでも他の地域とは違った展開が起こっているが、「被爆」という出来事はそうした支援対象への影響はもちろん、援助者側の物語にも大きな影響を与えている。本ワークショップでは被爆2世の対人援助職が、地域で働く中で出逢った「被爆樹木」という素材を通して得た気づきや、おのれの援助業の変化や展開について報告する。グループワークを通じて被爆という出来事が身近に起きることに想いを馳せてもらうことで、対人援助職が社会の出来事や自らの当事者性に向き合う機会になればと考えている。なお、ワークショップは、①イントロ(企画趣旨の説明。広島大会に向けて)、②「自分の身近にある樹木」についてのグループワーク ➂企画者・來須小学校教諭(被ばく2世)からの発表。④グループワーク ⑤質問・感想など から構成する。 発表者:來須真紀(広島市立基町小学校教諭 被ばく2世) 岡崎正明(広島市児童相談所 社会福祉士 被ばく2世) |
開催日時 | WS名 | タイトル | 企画者 |
---|---|---|---|
11月19日(土) 9:30-11:00 |
公募企画WS➀ | 対人援助学マガジン特別企画「リアルタイム執筆者短信」 | 大谷多加志 (京都光華女子大学) |
11月19日(土) 11:00-12:30 |
退院支援 研究会 企画WS |
新潟水俣病のいま | 本間 毅 (退院支援研究会) 萩野 直路 (新潟水俣病訴訟を支援する会) |
9:30-11:00 |
|||
11月20日(日) 13:30-15:00 |
公募企画WS➂ | サステナブル(持続可能)な研究会のつくり方 ~学会設立以前から13年続く、対人援助学会研究会のセブンルール~ | 千葉晃央 (京都光華女子大学) |
企画ワークショップを以下のとおり募集します。なお、申し込みが複数となった場合は理事会で選考させていただきます。
また、研究・倫理面の配慮に欠けると思われる研究については、発表をお断りすることがあります。
申込方法:下記の内容を年次大会事務局宛に メールをお送りください。
○主発表者、連名発表者、所属先
○タイトル
○内容を400字以上800字程度でお知らせください。
○希望枠(第2希望までお書きください)※プログラム概要のスケジュールを確認いただき、公募企画ワークショップ①~③のうち、いずれかを希望してください。
★申込締め切り:2022年9月30日(金)
企画ワークショップは、Zoomのブレイクアウトルームでの運営ができるグループに限ります。
※研究、倫理面の配慮に欠けると思われる研究については、発表をお断りすることがあります。
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